先日、楽天が15歳から25歳を対象にした調査結果を発表していました(2026年9月4日発表)。
商品やサービスを検討したり、買ったりするときに生成AIを使う人が54.3%。対象は「楽天学割」を使っている637人で、7月1日から8月3日にかけて調べたものです。
ぼくは50歳です。健康診断の受付を24年やっています。
正直に書くと、この数字を最初に見たときは、少し身構えました。ほぼ2人に1人。もう、そこまで来ているのか、と。
ただ、発表の中身を開いてみたら、思っていたのとは違う話でした。
まず、54.3%の中身を開いてみました
この54.3%には、内訳が出ています。
「商品やサービスの検討および購入時における生成AIの利用状況」という質問に対して、
・常に利用する … 3.6%
・頻繁に利用する … 13.2%
・時々利用する … 37.5%
この3つを足したものが、54.3%です。
いちばん多いのは「時々利用する」で、37.5%。54.3%のうち、7割近くがここに入っています。
そして「常に利用する」は、3.6%です。100人いたら、3人か4人。
「Z世代はAIで買い物を決めている」という話ではありませんでした。半分くらいの人が、ときどき使っている。そういう数字です。
「ほぼ毎日使う」世代が、買い物では「時々」でした
同じ発表の中に、もうひとつ数字がありました。
生成AIの利用頻度を聞いた質問では、「ほぼ毎日利用している」が38.0%で最多だったそうです。(この質問が全員に聞いたものなのか、使っている人だけに聞いたものなのかは、発表に書かれていなかったので、そこは分かりません)
並べると、こうなります。
日常ではほぼ毎日AIを使っている。それでも、買い物を決める場面で「常に使う」のは3.6%。
ここが、いちばん引っかかったところでした。
毎日触っている人たちが、お金を使う場面では、そこまで持ち込んでいない。使い分けているのだろう、と読みました。
いちばん多い使い方は「決める」ではなく「絞る」でした
もうひとつ、目がとまったところがあります。
検討・購入時にどんなタイミングで使うか、という質問です。これはAIを使うと答えた人の中での割合になりますが、いちばん多かったのはこれでした。
・比較検討する商品を絞るとき … 44.4%
・欲しい商品やサービスを探すとき … 27.8%
・ECサイトを見ながら … 11.3%
絞るとき、です。決めるとき、ではありません。
AIに決めてもらっているわけではないんです。候補を減らしてもらって、最後に決めるのは自分。その形がいちばん多かった、ということになります。
数字だけ見て「AIに任せている世代」だと思っていたので、ここはぼくの読み違えでした。
ぼくの使い方は、これとは逆でした
ぼくがAIに触りはじめたのは、50歳になってからです。
いまやっているのは、仕事の中で分からないことを、そのまま聞くことです。返ってきた答えが分かりにくければ「言い直して」と何度でも打ちます。ひとりで覚えるために続けていることは、こちらの記事にまとめました。
このブログの下書きも、AIに出してもらってから、自分で直しています。そのことは別の記事にも書きました。
並べてみると、はっきりします。ぼくは、答えをもらいに行っているんです。
調査でいちばん多かったのは、候補を減らしてもらって、決めるのは自分でやる、という使い方でした。
どちらが正しいという話ではありません。ただ、ぼくには後者のほうが、道具の使い方として一段うまく見えました。決めるところを、手放していないからです。
「絞る」なら、受付で24年やっていました
ここまで書いて、気づいたことがあります。
健診の受付では、受診票を見ながらお話しします。ぼくがやっているのは、紙をペンで指して「ここは大丈夫ですか」「ここはどうですか」と聞くことです。当日の受付で何を聞かれるかは、この記事に書きました。
全部を最初から説明することは、しません。引っかかりそうなところを先に指す。相手が見なければいけない場所を、減らす。やっているのは、それだけです。
これ、形としては「絞る」です。
Z世代がAIにやってもらっていたことを、ぼくは24年、人の手でやってきた側でした。
もともと人を見るのは、苦になりません。相手が何をしてほしいかを先回りして考えるのは、自分の癖みたいなものだと思っています。
足りなかったのは、知識ではなかったのかもしれません
50歳からAIを始めて、自分に足りないのは知識だと思っていました。用語も仕組みも分かりませんし、パソコンも得意ではありません。
ただ、今回の数字を見て思ったのは、そこではないかもしれない、ということです。
足りなかったのは、どう使うかの型のほうでした。
そして型は、探しに行かなくても、自分の現場にありました。24年やってきた「相手が見る場所を減らす」という段取りを、そのままAIに向ければいいだけだったからです。
知識は、調べれば追いつきます。何年もかかるものではありません。
型のほうは、たぶん年数がいります。ぼくは、そちらを先に持っていたことになります。
追いかけている、とは思わなくなりました
スタート地点が違うのは、そのとおりです。15歳から25歳の人たちには、はじめからAIがありました。ぼくは50歳で始めました。
ただ、買い物という場面で「常に使う」が3.6%だったのを見て、追いつけない距離ではないと思いました。すみずみまで使いこなしている人ばかりではなかった、ということです。
もちろん、失敗もします。AIの音声サービスに10か月払って、ほとんど使わないまま解約したこともあります。その話はこの記事に書きました。
それでも続いているのは、自分の現場の話なら、出てきた答えが合っているかどうかを自分で判断できるからです。
ぼくの座右の銘は「出来るか出来ないかではなく、やるかやらないか」です。
50歳から始めることを、できるかできないかで考えていたら、始めていません。今日さわるか、さわらないか。いまは、それだけにしています。
まとめ
・楽天の調査で、Z世代(15〜25歳・637人)の54.3%が買い物の検討に生成AIを使っている(2026年9月4日発表)
・ただし内訳の最多は「時々利用する」37.5%。「常に利用する」は3.6%
・生成AIの利用頻度では「ほぼ毎日」が38.0%で最多。毎日使う世代が、買い物では使い分けている
・使うタイミングの最多は「比較検討する商品を絞るとき」44.4%。決めるのは自分
・ぼくの使い方は「分からないことを聞く」。答えをもらいに行っていた
・健診の受付でやってきたのは、相手が見る場所を絞ること。形は同じだった
・足りなかったのは知識ではなく、使い方の型。型のほうは、自分の現場にあった
よくある質問
Q. Z世代は、みんなAIを使いこなしているのですか?
この調査の範囲で言えば、買い物の検討で「常に利用する」と答えた人は3.6%でした。いちばん多いのは「時々利用する」37.5%です。全員がすみずみまで使っている、という数字ではありませんでした。
Q. 50歳から始めるのは遅いですか?
遅いかどうかは分かりません。ただ、ぼくは今回の数字を見て、追いつけない距離ではないと思いました。比べる相手を他の世代にすると終わりがないので、去年の自分と比べるようにしています。
Q. 何から始めればいいですか?
ぼくの場合は、仕事の中で分からないことをそのまま聞くところから始めました。自分の知っている分野なら、返ってきた答えが合っているかどうかを自分で判断できます。詳しくはこちらの記事に書いています。
Q. 現場の仕事と、AIの使い方は関係がありますか?
ぼくはあると思っています。受付でやってきた「相手が見る場所を減らす」という段取りは、そのままAIの使い方になりました。長くやってきた仕事の段取りは、道具が変わっても使えるのではないかと思っています。
参考にした資料
楽天「Z世代の生成AI利用に関する調査」(2026年9月4日発表)
日々の現場での気づきは、Xでも書いています。
@genba50ai
