健康診断の検査は、会社によって違う?バリウムがない会社があるのはなぜ|健診の仕事を24年、受付から見てきたこと

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健康診断の仕事を24年やっています。50歳です。

検診車を運転して会場に着き、会場をつくり、受付を担当しています。

受付をしていると、よく分かることがあります。同じ健康診断でも、受ける人が所属している会社によって、検査の中身が違うということです。

バリウムが含まれている会社もあれば、含まれていない会社もあります。お腹の超音波(エコー)も同じです。

この記事では、なぜ違うのか、どこまでが法律で決まっていて、どこからが会社ごとなのか、そして自分の検査をどうやって知ればいいのかを、受付から見てきた範囲で書きます。

目次

健康診断の検査は、会社によって違うのですか?

違います。

検査は、ご自身が所属している会社によって変わります。

加入している健康保険組合(健保組合)によっても、変わります。

そして、検査の中身は、多くの場合、年齢で区切られています。「何歳からは、この検査が含まれる」という形です。

法律で、必ずやると決まっている検査はありますか?

あります。

会社の健康診断は、基本的に、労働安全衛生法という法律をもとに行われています。

その下の決まりである労働安全衛生規則の第44条に、1年に1回、必ずやる項目が11書いてあります。

・これまでの病気と、仕事の内容の確認(既往歴及び業務歴の調査)
・自覚症状と、見て分かる症状の確認(自覚症状及び他覚症状の有無の検査)
・身長、体重、腹囲、視力、聴力
・胸のレントゲンと、たんの検査(胸部エックス線検査及び喀痰検査)
・血圧
・貧血の検査
・肝臓の検査(肝機能検査)
・血液の脂の検査(血中脂質検査)
・血糖の検査
・尿の検査
・心電図

(出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第44条第1項。かっこの中が条文の言葉で、その前はぼくが言い換えたものです)

同じ第44条の第2項には、この中のいくつかの項目は、お医者さんが必要ないと判断した場合に省略できる、とも書かれています。

バリウムがない会社があるのは、なぜですか?

上の一覧を、もう一度見てください。

胸のレントゲンは含まれています。でも、バリウム(胃のレントゲン)は含まれていません。お腹の超音波(エコー)も含まれていません。

法律で必ずやる検査ではないので、会社によって、含まれていたり、いなかったりします。

受付から見ていると、

・バリウムは、含まれている事業所が多いです

・お腹のエコーは、含まれている事業所が、それほど多くありません

「前の会社ではバリウムがあったのに、いまの会社にはない」ということは、制度のうえで起こりえます。どちらかが間違っているわけではありません。

自分の検査を知る第一歩は、何ですか?

自分の会社が、何歳で検査を区切っているのかを確かめることです。

先ほど書いたとおり、検査の中身は、多くの場合、年齢で区切られています。自分がいまどの区切りにいるのかが分かれば、どの検査が含まれるのかも見えてきます。

もうひとつ、自分がどの健保組合に入っているのかも、確かめておいてください。

健保組合によって、年齢の区切り方も変わってきます。それに、健保組合は、健康診断だけでなく、治療にもかかわってきます。

自分がどの検査を受けるのか、どこで分かりますか?

受診票を見ると分かる場合が多いです。

ただ、書き方は、健診をする会社(健診機関)によって違います。

・受ける検査の項目が書いてある

・受ける検査は濃く、受けない検査は薄く印字されている

・受けない検査は、そもそも受診票に印字されていない

受診票と一緒に届く案内には、受ける検査が書いていないこともあります。まずは受診票を見てください。

それでも分からないときは、会社の健診の担当の方か、案内に書いてある連絡先に聞くのが確かです。

健診をする会社が変わると、何が変わりますか?

当日のやり方が変わります。いちばん分かりやすいのは、検査の順番です。

健診をする会社が変わった年は、受付でこんな声を聞きます。

「前はこの検査が先だった!」
「去年は、ここで○○の検査をしていた」
「あっ!? 今年はこうなんだ」

どれも、去年との比較です。

それから、同じ会社でも、健診をする会社が変わっていることがあります。そのことが、働いている人に知らされていない場合もあります。

だから、受診票と一緒に届いた注意事項は、前もって読んでおいてください。去年と同じつもりで行くと、決まりが変わっているかもしれません。

食事をとってきたら中止になる検査はありますか?

あります。バリウムと、お腹の超音波(エコー)です。

これは、そもそもその検査が含まれている方の話です。含まれていない方は、この2つが中止になることはありません。

ただ、どちらも含まれていない方でも、気をつけてほしいことがあります。血液の検査には、血糖、コレステロール、中性脂肪が含まれています。これらは、食事の影響を受けます。

食べてきた場合でも、血液の検査そのものは受けられます。でも、出た数字は、食事のせいなのか、体の状態なのか、分からなくなってしまいます。

ぼくは受付なので、数値そのものには立ち入りません。聞かれたときは「影響がありますよ」とお伝えしています。

注意事項に「空腹で」と書いてあれば、検査の中身にかかわらず、それに従ってください。

水のことも、書いてあればそれに従ってください。ぼくの会社の案内には書いています。

そして、血圧の薬などは、自己判断で止めないでください。

くわしくは 健康診断の日、薬は飲んでいい?水は? に書きました。

受付のぼくは、お医者さんでも看護師さんでもありません。医療の資格は持っていません。ぼくの仕事は、健診が時間どおりに進むように、段取りを見ることです。だから、この記事でも、どの検査を受けたほうがいいか、というところには立ち入りません。

まとめ

・検査は、ご自身が所属している会社によって変わる。健保組合によっても変わる

・検査の中身は、多くの場合、年齢で区切られている

・法律で必ずやる項目は、労働安全衛生規則 第44条の11項目。バリウムとお腹のエコーは含まれていない

・自分の検査を知る第一歩は、自分の会社が何歳で区切っているかと、自分がどの健保組合に入っているかを確かめること

・受ける検査は、受診票を見ると分かる場合が多い。書き方は健診機関によって違う

・健診をする会社が変わると、検査の順番など当日のやり方が変わる。注意事項は前もって読む

・食事で中止になるのは、バリウムとお腹のエコー。血液の検査も食事の影響を受ける。薬は自己判断で止めない

よくある質問

Q. 前の会社ではバリウムがあったのに、いまの会社にはありません。おかしくないですか?

おかしくはありません。バリウムは、法律で必ずやると決められた項目ではないので、会社によって含まれていたり、いなかったりします。年齢の区切りで含まれるかどうかが変わることもあります。気になるときは、会社の健診の担当の方に聞いてみてください。

Q. 去年と検査の順番が違いました。何か変わったのですか?

健診をする会社が変わった可能性があります。同じ会社でも、健診をする会社が変わることがあり、働いている人に知らされていない場合もあります。順番など当日のやり方は、健診をする会社によって違います。

Q. 受診票を見ても、どの検査を受けるのか分かりません。

受診票の書き方は、健診をする会社によって違います。受ける検査が濃く、受けない検査が薄く印字されている場合や、受けない検査はそもそも印字されていない場合もあります。それでも分からないときは、会社の健診の担当の方か、案内の連絡先に聞いてください。

Q. バリウムもエコーもない場合、前の日の食事は気にしなくていいですか?

気にしてください。血液の検査(血糖・コレステロール・中性脂肪)は、食事の影響を受けます。注意事項に「空腹で」と書いてあれば、それに従ってください。

参考

・労働安全衛生規則(e-Gov法令検索) 第44条に、定期健康診断の項目が定められています

・労働安全衛生法(e-Gov法令検索) 第66条に、事業者が健康診断を行うことが定められています

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