このブログの下書きは、AIに手伝ってもらっています。そのことは、以前の記事に書きました。
ただ、出てきた文章をそのまま貼ったことは、一度もありません。
毎回、直しています。直しているのは、文章のうまさではありません。事実のほうです。
健康診断の仕事を24年やっています。パソコンは得意ではありません。それでも、AIが書いた文章のどこが違うかは、読めば分かります。
理由は簡単です。ぼくの現場を、AIは見ていないからです。
今日は、ぼくが毎回直している3つの場所を書きます。

AIが書いた文章は、そのまま使えますか?
ぼくの答えは「使えない」です。
ただ、これは「AIが役に立たない」という話ではありません。
AIが出してくる文章は、読みやすいです。順番も整っています。ぼく一人では、ここまで整えられません。
問題は別のところにあります。整った文章の中に、ぼくがやっていないことが混ざっているのです。
しかも、うまく混ざっています。前後が自然につながっているので、読み流すと気づきません。
だからぼくは、いつも同じ3か所を見ます。
なぜAIは、やっていないことを書けるのですか?
実際にあった話です。
ぼくの経歴について、AIが書いた文章に、こうありました。
この業界に入ったとき、持っていた資格は大型免許だけだった(AIが書いた下書きの内容)
もっともらしく読めます。ぼくはいま検診車を運転していますし、大型免許も持っています。
でも、違います。
入ったときは、大型免許も持っていませんでした。最初の会社で、取らせてもらいました。仕事の幅を増やしたくて、自分から動いた話です。
ここは、ぼくにとって大事な部分です。「最初から資格があった人」と「入ってから取った人」は、読む人に届くものが変わります。後者なら、いまゼロの人にも関係のある話になります。
AIは、ぼくの履歴書を見ていません。だから、つじつまが合う形で埋めます。埋めたところは、うそには見えません。それが一つ目の見どころです。
「毎回」「いつも」と書いてあったら、何を疑えばいいですか?
二つ目です。これは、いちばん多く直しています。
AIが書いた文章に、こうありました。
受付には毎回30人以上が並びます(AIが書いた下書きの内容)
混む日は、たしかに30人以上並びます。列の最後の方が30分以上待つ日もあります。
でも「毎回」ではありません。最近は時間割を組んで、朝の混雑を減らしている現場も多いです。
この違いは、読む人によって見え方が変わります。現場を知らない人には、どちらでも同じに読めます。けれど、同じ仕事をしている人が読んだら、一発で分かります。「この人、盛ってるな」と。
AIは、強く言い切るほうを選びます。そのほうが文章として決まるからです。
ぼくが直すのは、たいてい一語です。「毎回」を「混む日は」に変えるだけ。それで、読んだ人に本当のことが伝わります。
「なぜそうしたか」まで書かれていたら?
三つ目が、いちばん気持ち悪いところです。
AIが書いた文章に、こうありました。
待っている人が倒れないように、こちらが先に動きます(AIが書いた下書きの内容)
行動は合っています。ぼくは、たしかに先に動きます。
でも、理由が違います。ぼくが第一に考えているのは、検査がスムーズに進むことです。
読み比べると、前者のほうがいい人に見えます。だから直しました。
実際に投稿したのは、直したあとの文章です。
2026年8月29日のXの投稿(旭山動物園のすいかの話)
AIは、行動からさかのぼって理由を作れます。そして作るとき、たいていやさしい理由を選びます。読む人が気持ちよくなるほうです。
でも、自分が考えていないことを自分の動機として出すと、あとで続きません。聞かれたときに答えられないからです。
行動と、気持ちと、願いは、別のものです。ここは一語では直せないので、書き直してもらいます。
直すのに必要なものは、文章力ですか?
違いました。
必要なのは、自分の持ち場の事実です。
ぼくの場合は、健康診断の受付と検診車の運転を24年やってきた中の「うちはこうしている」です。それは本にも書いていませんし、検索しても出てきません。ぼくと、同じ現場にいる人しか知りません。
文章を直すとき、ぼくがやっているのは、読んで「ここは違います」と伝えることだけです。言い方は考えません。直し方も指示しません。
それだけで、文章は事実に寄っていきます。
現場の仕事が長い人は、AIに向いていないのでしょうか?
逆だと思っています。
AIを使っていて、いちばん危ないのは何が正しいか分からない話を書かせることです。出てきたものを確かめられないので、そのまま信じることになります。
現場を長くやっている人は、自分の持ち場については確かめられます。おかしいところが、読んだ瞬間に引っかかります。
パソコンが得意である必要はありません。ぼくも得意ではありません。
必要なのは、自分が知っていることの中で使いはじめることです。知らない分野から始めると、間違いに気づけません。
職場に教えてくれる人がいなくても、自分の持ち場の話なら、教科書なしで確認できます。24年やってきたことが、そのまま確認の材料になります。
50代がAIの文章を確認するとき、どこを見ればいいですか?
ぼくが毎回見ているのは、この3つだけです。

1. やったことになっていないか
していないことが、さらっと書かれていないか。資格、経験、やりとりの中身。
2. 言い切っていないか
「毎回」「いつも」「必ず」「絶対」。この4語が出てきたら、自分の記憶と突き合わせます。
3. 気持ちや理由を足されていないか
「〜のために」「〜と思って」。そう思っていたのか、自分に聞き直します。
この3つだけで、ぼくが直すところは、だいたい見つかります。特別なやり方ではありません。
まとめ:AIに任せられること、任せられないこと

・任せられるのは、文章の整え方です。順番、読みやすさ、長さ
・任せられないのは、事実です。やったこと、やっていないこと、そう思った理由
・見るのは3か所。やったことになっていないか/言い切っていないか/気持ちを足されていないか
・AIは、うそをつこうとしているわけではありません。こちらの現場を知らないので、つじつまの合う形で埋めるだけです
・だから、自分が知っている話から使いはじめるのが、いちばん安全です
ぼくは、このやり方でブログを書いています。うまくなったとは思いません。道具が変わっただけです。
直すところが毎回あるのは、悪いことではないと思っています。直せるということは、自分のほうが知っている、ということですから。
よくある質問
AIに書かせた文章を、そのまま出してはいけないのですか?
「いけない」とまでは思いません。ただ、自分が確かめられない話をそのまま出すと、あとで困るのは自分です。ぼくは、自分の現場の話だけは必ず読み返してから出しています。
AIは、うそをつくのですか?
ぼくは、そうは思っていません。知らないところを、つじつまの合う形で埋めているのだと受け取っています。だから悪意のない間違いとして、こちらが直す前提で使っています。
間違いを直すのに、手間はかかりませんか?
かかります。ぼくがやっているのは、読んで「ここは違います」と伝えることだけですが、読むのはやめられません。ここを飛ばすと、直っていない文章が外に出ます。
このブログは、AIが書いているのですか?
下書きはAIに手伝ってもらっています。事実の確認と訂正は、ぼくがやっています。そのことはこの記事にも書きました。隠すことではないと思っています。
日々の現場での気づきは、Xでも書いています。
@genba50ai
