「時間ができたら、やります」
ぼくは、この言葉を何年も使ってきました。
50歳です。健康診断の仕事を24年やっています。検診車を運転して、会場で受付に立つ仕事です。
正直に書きます。やらなきゃいけないことを後回しにしてしまうのが、ぼくのいちばんの弱みです。
いまはAIの勉強をしています。これも長いあいだ「そのうち」と言い続けていたものでした。
今日は、うまくいった人の話ではありません。後回しにする人間が、一度だけ自分から動いたときの話です。

「時間ができたら」は、たいてい来ません
「時間ができたら」には、締め切りがありません。
だから、予定になりません。今日やらなくても、今日は何も起きない。明日も何も起きない。歯が痛いとか、車が動かないとか、そういう種類のことではないからです。
こうして、毎年きれいに後ろへずれていきます。
そしてある日、自分が決める前に、選べる道のほうが先に減っていきます。年齢だったり、体力だったり、まわりの事情だったりします。
ぼくは50歳になってから、それを何度か経験しました。
ぼくは、後回しにする人間です
自分の弱みは、はっきりしています。後回しにすること。そして、すぐ借金をしてしまうことです。
隠しても仕方がないので書いています。いま借金を返しながら、その過程をそのままXに書いているのも、同じ理由です。
だからこの記事は、「動ける人が、動けない人に教える話」ではありません。動けない側の人間が、一度だけ動けた理由を思い出して書いています。
中学のとき、あまりにも簡単に諦めました
中学生のとき、バスケットボール部でした。
室蘭選抜の選考会で、最後の最後に名前を呼ばれたことがあります。スタメンではありません。それでも短い出場時間の中で、しっかり一本、ゴールを決めました。中学生活でいちばんの達成感です。
そのあと、強豪校に行きたいと、自分の中では思っていました。
気になったのは、経済的な事情と、家からの距離です。それを「無理だろう」と決めつけたのは、ぼく自身でした。
誰にも相談できないまま、諦めました。あまりにも簡単に諦めました。
50歳になった今でも、そこだけはっきり思い出します。
大型免許のときだけ、自分から動きました
健康診断の仕事に入って、しばらく経ったころの話です。
そのころのぼくは、受付の担当でした。必要があれば、乗用車を運転することもありました。検診車は、まだ運転していません。
あるとき、こう考えました。
検診車の運転手は、受付もできる。でも、受付の担当は、検診車を運転できない。
受付だけでは弱いんじゃないか。仕事の幅を増やしたい。そう思って、大型免許を取ろうと決めました。立場が危うかったわけではありません。自分で考えて、決めたことです。
このときだけ、ぼくは自分から動きました。当時の上司に直談判したのです。
肩書のある人に自分から話すのは、いまでも苦手です。ぼくは肩書に怯えてしまうところがあります。それでも、あのときは言いました。
頼んだのは、時間のことでした。免許を取るには教習所に通う時間がいります。仕事を続けながらそれをどうにかできないか、という話です。
動いてみたら、想像していなかったことが起きました
返ってきた答えは、こうでした。
時間のことは分かった。費用も会社で出す、と。
お金の話は、こちらからは一言も頼んでいません。
これが、ぼくが「動いてみないと分からない」と思うようになった理由です。動く前のぼくは、そんな選択肢があることすら知りませんでした。
知らなかったのではなく、聞いていなかっただけです。
中学のときと、何が違ったのか。才能でも根性でもありません。人に言ったかどうか、それだけです。

それでも、いまも失敗しています
ここで「動けば道は開ける」と書けたらきれいなのですが、そうはいきません。
AIの勉強を始めてから、音声を作るサービスに10か月間お金を払い続けて、ほとんど使わないまま解約しました。その話はこちらの記事に書いています。
動いた結果の失敗です。動くことと、うまくいくことは、別です。
ただ、あの10か月で分かったこともあります。始めるときに「やめ方」を決めていなかった、ということです。これは動いた人にしか分からなかったことでした。
「出来るか出来ないか」ではなく「やるかやらないか」
ぼくの座右の銘です。
50歳で、パソコンも得意ではありません。「出来るか出来ないか」で考え始めたら、答えは一生出ません。出来る保証が先に来ることは、まずないからです。
だからぼくは、問いのほうを変えました。
「自分にAIが使えるか」ではなく、「今日、10分さわるか、さわらないか」。これなら、その場で答えが出ます。
50歳から何かを始めるとき、ぼくが決めた3つ
いまのところ、この3つで続いています。
本業がある日に、どう続けているかはこちらに書きました。50代、仕事をしながら新しいことを続けるには?

1. いちばん小さい一歩に切る
「AIを覚える」は大きすぎます。「今日、ひとつ質問してみる」なら、今日できます。
2. 誰かに言う
大型免許のときも、動いたのは人に言った瞬間でした。ぼくの場合、自分の中に置いている限り、何年でも置いておけてしまいます。分からないと言えないことについては、別の記事にも書きました。
3. やめ方を先に決める
お金のかかるものは、始める前に「いつ見直すか」を決めておきます。10か月払い続けた反省です。
まとめ
まとめます。
・「時間ができたら」は締め切りがないので、予定になりません
・ぼくは中学のとき、誰にも相談せず、自分で終わらせました
・大型免許のときだけ人に言いました。頼んでいない答えが返ってきました
・動いても失敗します。ただし、失敗の中身は動いた人にしか分かりません
・「出来るか」ではなく「今日やるか」に、問いを小さく切り替えます
派手な成果は、まだ何も出ていません。それでも、簡単に諦めた過去を、これ以上増やさないと決めています。
中学の自分に、いちばん言ってやりたい言葉です。出来るか出来ないかではなく、やるかやらないか。
よくある質問
50代から新しいことを始めるのは、遅くないですか?
ぼくは50歳でAIを触り始めました。早いとは思っていません。ただ、始めなければ51歳でも同じことを言っているはずなので、遅いかどうかを考える時間のほうがもったいないと思うようにしました。
何から始めればいいですか?
ぼくは、自分が毎日やっている仕事の話から始めました。知っている話なら、答えが合っているかどうかを自分で判断できるからです。ひとりで覚えるためにやっていることは、この記事にまとめています。
お金をかけないと始められませんか?
ぼくの場合、お金をかけたほうが失敗しました。10か月払って解約した話がそれです。無料で触れる範囲で、毎日続くかどうかを先に確かめるほうが、ぼくには合っていました。
続かないのですが、どうすればいいですか?
ぼくも続かないほうの人間です。いまのところ効いているのは、一歩を小さくすることと、やっていることを人に見える場所へ書くことの2つだけです。続いている理由を、自分の意志のせいにはしないようにしています。
日々の現場での気づきは、Xでも書いています。
@genba50ai
