健康診断は何歳まで受ければいい?会社を辞めたあとはどうなる?|受付を24年やって見てきたこと

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健康診断の仕事を、24年やっています。受付と、検診車の運転です。

朝は早く、現場に着くと、もう列ができています。立ったり、運転したり、体を使う仕事です。

その列に並ぶ顔ぶれが、24年で少しずつ変わりました。60歳を過ぎても会社の健康診断に来る方が、はっきり増えました。

ただ、ぼくに見えるのは、そこまでです。

会社の健診の受付に立っているかぎり、会社を辞めた人とは、もう会いません。その方が翌年どうしているのかは、現場からは見えません。

「辞めたあと、健診はどうすればいいですか」と受付で聞かれたことも、ありません。そういう疑問を持つ頃には、その人はもう、ぼくの前にはいないからです。

だから今回は、調べました。調べて分かったことと、受付から言えることを、はっきり分けて書きます。ぼくは受付であって、制度の担当者でも、医療の人間でもないからです。

目次

受付に並ぶ顔ぶれが、24年で変わりました

受付にいても、その人が正社員なのか、再雇用なのか、契約なのかは分かりません。名簿の並びを見ているだけです。みんな、同じ列に並びます。

パートやアルバイトの方も、会社の健診に来ます。ぼくの現場では、実際に来ています。だから「自分はパートだから、どうせ対象外だろう」と最初から決めてしまうのは、もったいないと思います。

ぼくがしているのは、その列を止めないことです。健康診断の待ち時間がなぜ長くなるのかは別の記事に書きましたが、要するに受付は、体の中身ではなく、人の流れを見ている場所です。

「何歳まで受けられますか」に、ぼくは答えられません

ここは、はっきり書きます。

会社の健康診断に年齢の上限があるのかどうか、ぼくは説明できません。

年齢を理由に断られる場面に出会ったことはありません。ですが、それは「ぼくの現場で見なかった」というだけの話で、制度の答えにはなりません。パートやアルバイトの方が対象になる条件も、同じ理由で書きません。調べれば数字らしいものは出てきますが、元の資料を自分で開いて確かめられなかったからです。

自分が当てはまるかどうかは、勤め先の担当の方か、加入している健康保険に直接聞くのがいちばん確実です。あっけない答えですが、これがいちばん早いです。

書けないことを書けるふりで埋めるほうが、あとで迷惑をかけます。

ひとつだけ、はっきり確認できたこと

制度の話で、ひとつだけ、自分で確かめられたことがあります。

「特定健康診査(特定健診)」という健診があり、対象は40歳以上75歳未満です。厚生労働省のサイトに、こう書かれています。

平成20年4月より、内蔵脂肪型肥満に着目した特定健康診査・特定保健指導の実施が医療保険者(国民健康保険・被用者保険)に義務づけられました。
(厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導について」)

つまり、健診を用意する義務を負っているのは「会社」ではなく「加入している医療保険」のほうだ、という制度が、もうひとつ動いています。そして75歳以降は、後期高齢者医療制度のほうへ移ります。

「何歳まで」という問いに、いちばん近い答えがここにあります。少なくとも40歳から74歳のあいだは、会社勤めかどうかとは別のところに、健診を受ける道がある、ということです。

ご自分がどれに当てはまるかは、お住まいの市区町村や、加入している保険によって変わります。出典は最後に置いておきます。

会社を辞めると、何が変わるのか

会社の健診には、大きな特徴がひとつあります。

自分では何もしなくても、順番が回ってくることです。

日程が決まり、案内が配られ、会場が用意される。ぼくたちは、その最後の部分を回している側です。

会社を辞めると、この「勝手に回ってくる仕組み」が外れます。受けなくなるのではなく、自分で予約を取るところから始まる形に変わる。ここがいちばん大きい変化だと思います。

たぶん、ここで止まる人がいます。悪気があって受けないのではなく、順番が回ってこないから、そのまま何年か過ぎる。

受付から見ていると、健診に来るという行為は、意思よりも習慣に近いと感じます。毎年この時期に呼ばれるから来る。だとしたら、退職で切れるのは「健康への意識」ではなく、習慣を支えていた外側のほうです。

60歳以上の就職説明会に、去年は約1,000人が来ていた

この記事を書いた日、札幌市が「シニアワーキングさっぽろ」という、60歳以上向けの就職説明会を開いていました。

参加した企業は50社。去年は2日間で、およそ1,000人が会場に来たそうです。会場に来た方の言葉が、記事に載っていました。

まだ体が健康ですのでできれば長い間、社会貢献を続けていきたいなと
(HTB北海道ニュース 2026年9月2日/会場に来た方の言葉)

もう一人の方は、年金がどうなるか分からないので働かないと生活できない、という趣旨のことを話しています。前を向く気持ちと、切実さ。同じ会場に、その両方があります。

そして、働く期間が延びるということは、体を見てもらう期間も、同じだけ延びるということです。60代で働き続ける人が札幌だけで1,000人の規模でいるなら、その方たちの健診をどうするかは、これから当たり前の話になっていきます。

「去年と比べる」を、やってくれていたのは誰か

ここからは、受付にいないと気づきにくい話です。

去年の結果の紙を持って健診に来る方は、ほとんどいません。ぼくの感覚で、年に1人いるかいないかです。

意識が低いから、ではありません。持ってくる必要が、ないからです。

ぼくが見ている現場では、前の年も健診を受けている方の受診票には、前回のデータが、すでに載っています。去年と今年を並べる作業は、会社の健診という仕組みの中に、最初から組み込まれているのです。

(会場や実施機関によって扱いは違うかもしれません。ぼくが見ている範囲の話として読んでください)

つまり、会社の健診を受けているあいだ、「去年と比べる」を、ぼくたちは自分の力でやっていませんでした。仕組みが、代わりにやってくれていた。だから紙を持ってくる必要もなかったし、比べているという自覚さえ、なかったと思います。

そして、会社を辞めると、これも一緒に外れます。

順番が回ってこなくなるだけではありません。去年の自分と並べて見る、あの一行も、消えます。

健診が「年に1回だけ」になるなら、あの1枚の価値は上がる

健診の結果は、後日、郵送で届きます。ぼくは受付なので、みなさんの数値を見る立場ではありません。名前を確認して、次にどこへ行けばいいかを伝えるだけです。

そのぼくが、ひとつだけお願いしたいことがあるとすれば、届いたあの1枚を、自分でとっておくことです。

働いているうちは、健診は「会社に言われたから受けるもの」でした。会社の健診がなくなれば、あれが体を見てもらう数少ない機会になります。年に1回だけになるのなら、その1枚の価値は、むしろ上がります。仕組みが用意してくれていた比較を、こんどは自分の手で作る。といっても、やることは封筒を捨てずにとっておくだけです。

数値をどう読むかは、健診機関の先生や、かかりつけの先生に聞いてください。ぼくは受付なので、そこは分かりません。ただ、健診は受けるだけでもしんどいという話は前に書きました。しんどい思いをして受けたのだから、結果の紙くらいは、捨てないでほしいのです。

まとめ|50歳のぼくが、いま決めていること

調べて確認できたことは、ひとつです。特定健診の対象は40歳以上75歳未満で、75歳以降は後期高齢者医療制度に移る。実施の義務は、加入している医療保険のほうにあります。会社の健診に年齢の上限があるかどうかは、ぼくには説明できません。勤め先か、健康保険に聞いてください。

受付から言えることは、こうです。60歳を過ぎても会社の健診に来る方は、24年ではっきり増えました。パートやアルバイトの方も来ています。

そして、会社を辞めたあとにいちばん変わるのは、意識ではありません。順番が勝手に回ってくる仕組みと、去年の自分と並べてくれる仕組み。この2つが外れることです。

受けない人が増えるとしたら、気持ちが緩んだからではなく、支えていた外側がなくなったからです。責める話ではありません。抜けた分を、自分の側に作ればいいだけです。

ぼく自身は50歳で、体のことは他人事ではありません。実は血圧が高めで、健診のたびに身構えています。家に血圧計があって、ときどき測っています。えらそうなことは、何ひとつ言えません。

それでも、受けにいくことだけは続けようと思っています。いつか会社の名簿から自分の名前が消える日が来ても、そのときは自分で予約を取る。いま決めているのは、それだけです。

気になる症状や数値がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。

よくある質問

Q. 会社を辞めたら、もう健康診断は受けられないのですか?

A. 会社が用意してくれる健診はなくなります。ただし40歳以上75歳未満であれば「特定健康診査」の対象になります。加入している医療保険(国民健康保険や、勤め先の健康保険)に実施が義務づけられているものです。75歳以降は後期高齢者医療制度のほうへ移ります。「この年齢で終わり」ではなく、受ける枠組みが変わる、という理解が近いと思います。くわしくはお住まいの市区町村か、加入先の保険にご確認ください。

Q. パートやアルバイトでも、会社の健康診断は受けられますか?

A. 条件については、元の資料を自分で確認できなかったので書きません。ただ、ぼくの現場には、パートやアルバイトの方も実際に健診に来ています。ですので「自分は対象外だろう」と決めてしまう前に、勤め先の担当の方に一度聞いてみてください。「対象だったのに受けていなかった」というのは、もったいない話です。

Q. 去年の結果と比べてもらうことはできますか?

A. ぼくが見ている現場では、前の年も健診を受けている方の受診票には、前回のデータが載っています。ご自分で去年の紙を持参しなくても、比較はできる形になっていることが多いです(会場や実施機関によって扱いは違うかもしれません)。ただし、その数値をどう読むかは、健診機関の医師か、かかりつけの先生にお尋ねください。

Q. 受付の人に、健診結果の相談をしてもいいですか?

A. 数値の判断は、健診機関の医師か、かかりつけの先生に聞いてください。ぼくは受付なので、結果を見る立場ではありません。ただ、会場で「気になることがある」と伝えていただければ、担当につなぐことはできます。

参考にした資料

厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導について」

HTB北海道ニュース「シニアワーキングさっぽろ」開催(2026年9月2日)

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